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Tin Chan Mon Thawを偲んで

執筆者の写真: Vu Khanh
Vu Khanh
2025年12月5日
読了時間: 7分

Written by: CHERID Azel Thara & Kayla Adella Utama

Edited by: Mir Mustaufiq Rahman

Translated by: 中山帆々子


「レガシー(legacy)」という言葉にはたくさんの意味が含まれている。しかし、Tin Chan Mon Thaw、友人や仲間からはNariという愛称で親しまれている彼女にとって、それは一つのものを指している。彼女の声だ。忘れがたい彼女の人生の音は、人々の中に響き続けるだろう。この響きは記憶の中で、長く鳴り響き続けるだろう。彼女はただの音だけではなく、光景でもあった。彼女は常に活気で満ち溢れ、彼女と会った人々に、私たちの知る生を超えた鮮烈な感情で彩りを与えた。


私たちAPU Timesは、彼女の人生を共に歩んできた人たちに心からの感謝を述べる。そして、彼女を知らない人達にとっても、この文章が、彼女の魂と私たちをつなぐ架け橋になることを願う。何人かの彼女の大切な友達が、彼女の人生を伝えて残すために私たちに話をすることに同意してくれた。彼女たちの協力なくして、この記事が実現することはなかっただろう。Tina、Venus、そして、Victorの三名が私たちに勇気と愛を込めた言葉を分かち合ってくれたことに、感謝してもしきれない。これらのことから、ここから綴られるのは単なる記事ではない。死を超えてなお、信念と追憶の中で生き続ける人生への、誠実なる敬意の表明なのである。

Lasting Impressions 最後の印象


第一印象は、よくその後の関係性を決めるものだと言われる。しかし、Nariは最後の印象を人々の記憶の中に残した。Tinaは私たちに、MCWの課題を通して、TinaとNariの目標が繋がったと語った。VenusはAPUのオンライングループチャットを通じてNariと知り合い、政策学の授業を通して、互いに尊敬し合う友情を育んだ。Victorはソーシャルメディア上でNariと出会い、他のミャンマー人の名前に並ぶ、彼女の特徴的な名前を目にして、同じ故郷を持つという特別な共通点を見つけた。これらが彼女たちの友情の芽が花開くきっかけだった。時がたつにつれ、Nariの優しさ、熱意、親しみやすさという特徴は、情熱、愛情、家族のような絆へと変化していった。


Tinaは最初のMCWの授業で、心の中で呟いた言葉をはっきりと覚えている。「絶対にA+をとりたい。」課題は異文化理解を促進させるゲームを作ることだった。Tinaは自分が高校生の友達と考えた、古いボードゲームのアイデアを持ち込んだ。Nariはそのゲームに夢中になった。彼女の情熱は止まることを知らず、多くの質問と提案をTinaに投げかけた。「これはA+よりもすごいものになる」とNariは言った。彼女はTinaにゲームをプロジェクトの枠の外に持ち出し、広げるように促した。ゲームは「The Identity Game」と名付けられた。この取り組みから、NariとTinaは親密になっていった。結果として、望み通りの成績をとれたが、プレゼンテーションはクラスで2位の順位となった。しかしNariは、自分たちのチームが一位にふさわしいと信じ、正当な評価を求めた。Nariのひたむきな努力は、Tinaに心から何かを追い求める力を与えてくれた。「彼女は気づいていなかったけど、私は彼女を心から尊敬していました。私はもう、自分のためだけにやっているわけじゃなかったんです。」

An Unforgettable Personality 忘れられない性格


Nariの卓越した知性は、深い感銘を与えるものだった。VictorはNariがAPUに来る前から大きな志を抱き、ミャンマーで国際関係法について学び、自主研究まで行っていたと語った。それにもかかわらず、彼女の謙虚さは際立っていた。彼女は決して自分の知識をひけらかさず、人に教えるために使うことを選んだ。また、前述の友人でありボードゲームのパートナーだったTinaはNariが国際関係やインターセクショナリティ(交差性)に深い関心を持ち、大きな夢を持っていたことを語った。その夢はシンプルで彼女たちが取り組んでいたボードゲームにも深く関わっていた。彼女が本当に望んでいたことは、国連の一員であれ、MCWの一員であれ、人々を助けることだった。「彼女は、人々が自分自身のことを理解する手助けをしたかったのです。」



彼女を際立たせていたのは、彼女の止め処ない情熱だけではなかった。強い姿勢と聡明さに加えて、「優しさ」という柔らかな支柱があった。VenusはNariのことを「良い人」だと理解しており、多くの人もそう思っていた。彼女が政策学のクラスで場所を共にするうちに、彼女はNariの人となりを更に知ることができた。彼女は人々を惹きつける、稀有な魂の持ち主だった。陽気で、温かく、思いやりのある人であり、常に周りを気にかけ、手を差し伸べていた。その一方で、自分自身の闘いを抱えていた。Nariは強い自立心をもち、自分で対処できると思うことには、他者に迷惑をかけないことに注意を払っていた。それでも、毎日の困難に立ち向かいながら、自分の信じる未来を形作るために、全力を惜しみなく注ぎこんでいた。


APUのキャンパスは、まるで「世界」の小さな縮図だ。多くの人はこの環境に圧倒され、自分の知っている世界にとどまり、似た者同士で集まりがちだ。しかし、Nariは好奇心旺盛で、常に自分の周りの世界を知りたがっていたため、「単に所属する」ことをよしとしなかった。それどころか、彼女は自分の世界を広げ、新たな友達を作ることが好きだった。彼女の明るく社交的な性格は、彼女の内なる共感性の表れだった。複数の仕事を両立し、様々な課外活動に参加し、彼女は学ぶことへの愛に全力を注いだ。


VenusはNariのもう一つの顔を、授業を共に受けるうちに少しずつ理解していった。Nariは積極的にクラスで質問をした。彼女は「批判的思考」の持ち主であり、その根底には揺るぎない意思があった。Nariの姿は、他の凍りついたように受動的な生徒達と比べて、一際目立っていた。彼女には、目が離せない輝きがあった。VenusにNariと共に過ごした印象深い思い出について質問すると、彼女はNariの思いやりに満ちた心を捉えたエピソードを教えてくれた。Venusが自分の写真をSNSにアップロードした際にNariは「とってもかわいい」という内容だけではなく「それに本当に頑張った、私はとっても誇らしいよ。」と熱意を持った内容を返信した。

In Family, In Faith 家族として、信念の中で


VictorとNariは同郷出身だったが、彼にとって一番印象深かったのは、単なる友情を超えた、家族に近い二人の繋がりだ。Nariは、家族ととても仲が良かった。一人っ子だったNariはよく自分の胸の内をお母さんに話していた、とVictorは回想した。Nariが自分のことを「お兄ちゃん」と呼んだとき、彼は自分とNariの間に繋がる絆を強く感じた。頻繁に話すタイミングは無かったものの、彼らの会話は常に軽いお喋りではなく、深い内容だったとVictorは記憶している。彼はNariと過ごした「美しい」時間を思い出しながらも、本来流れるはずだった「もしも」のありえたかもしれない出来事に思いを馳せてしまう。「もしあの時に戻れるなら、もっと彼女と話したい。同じ故郷を持つ者同士から生まれた、あの居場所を今でも強く感じています。彼女のために、もっと信頼できる友達であり、兄になりたかった。」


Nariは信仰の中で生き、そして信仰と共に旅立ちました。その信仰は、Venus, Tina, Victorの全員に受け継がれている。Tinaは、Nariが彼女と教会に行く度に、楽しみにしていた姿を覚えている。また、Victorは、もっとミサに誘えば良かった、と振り返った。そして、Venusは、神がNariのことを深く愛したために、天使を早く傍に戻してしまった、と信じている。Venusはある教授がNariの死を悼み、配慮を示してくれたことを話した。社会学のSanada Kie教授は、Nariと同じグループだった生徒達に立ち止まり、心を落ち着かせる時間を与えてくれた。そして、クラスに黙とうを捧げるように呼びかけ、Nariが安らかに眠るための静寂が訪れた。

Remembering Her Voice 彼女の声を思い出す


深い悲しみと愛を胸に、VenusはNariへの最後のメッセージを送った。

「みんなが本当にあなたのことを愛し、あなたが本当に頑張っていたことを伝えたい。彼女が悩んでいたことを知っていたから、あなたは本当に頑張り屋さんで、私はあなたのことを誇りに思う、と伝えたい。もっと一緒に遊びに行こうと誘いたかった。親しい友達なのに、誘う機会がなかったから。ただ毎日、彼女が恋しい。私は彼女に沢山助けてもらった。」


Tinaは彼女との思い出に胸が押しつぶされそうになる。Tinaは「彼女も私も特別な贈り物はしなかった」と言ったが、共に過ごした鮮やかな記憶、彼女の欠片として自分の中に残っている、と語った。そして、Victorは静かに祈る。Nariの家族が少しでも幸せに過ごせるように願い、自分も出来る限りその助けになれるように。


Nariが人々に残した印象は、いかに彼女が多くの素晴らしい資質をもっていたかを物語っている。彼女はTinaに「頑張り屋」、Venusに「批判的思考の持ち主」、そして、Victorに「良き聞き手」と称された。しかし、その中でも最も際立っていたのは、見えない障害に抗いながら、常により大きな夢を持ち、全力でその夢を達成するために進んでいったことだ。この壁に挑みながら、ためらうことなく行動し続けるのは、単なる性格を超えるものだった。それは彼女の心からの願いの形だった。


Nariはかけがえのない友人であり、大切に愛された娘であり、素晴らしい生徒であり、そして、輝かしい夢想家であった。


ここにあるのは、彼女が愛され、今もなお愛される証拠である。Nariの声は、私たちのコミュニティの鼓動にリズムを奏でてくれた。この声は、記憶の中で、そして今、この文章の中で、生き続ける。


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